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潜在的「リスク」を未然に回避し、潜在的「利益」を顕在化させるビジネスツールをご提案します

社会保険労務士「後藤義弘」のビジネスコラム

'' 持ち込まない '' 他社の営業秘密 (2007. 7. 11)

昨今 雇用の流動化 が進むにつれ、同時に企業内の高度な技術や情報が外部に開示
され企業利益が損なわれるリスクが高まっています。 各企業はこれを回避するため、
退職する従業員に対し在職中に得た情報や技術に関し特約を付し 秘密保持義務
競業避止義務 を負わせます。

特に中途採用従業員を即戦力として雇う機会の多い中小企業にとって、前職で何らか
の 秘密保持義務を負わされ入社してくる従業員に対するリスクマネジメント が必要と
なってきます。

その営業秘密についてですが、立ち位置により

  (1) 他社の営業秘密を持ち込んでしまうリスク [ 採用時 ]
  (2) 自社の営業秘密を持出されてしまうリスク [ 退職時 ]

とそれぞれ 入口出口 で発生する2つのリスクに対する対応を考えなくてはなりませ
ん。 今日はまずはその(1)のリスクマネジメントについて…

例えば、中途採用した従業員が入社後前職で得た特殊な技術等を会社に持ちこみ開
示し、会社がこれを使用し利益を上げるようなことがあった場合、この開示がその従業
員が前職を退職する際に前会社と締結した秘密保持契約に違反する行為であれば損
害賠償責任を負い、またその顧客情報等が「不正競争防止法」上保護される「営業秘
密」に該当すれば、同法により当営業秘密を持ち出した(元)従業員本人が刑事処罰を
受け、また民事上の責任も追求されることになります。

ここでもうひとつ重要なのは、ここで持ち込んだ営業秘密を使用する舞台となった第三
者にあたる 会社側も処罰の対象とされ損害賠償責任を問われる というリスクです。 
つまり持ち込んだ従業員本人だけではなく、会社も責任追及の対象となるということで
す。

これは会社側が(営業秘密であることを)「知っていれば」文句なしのクロですが、「知
らなかった」と言ってもその「知らなかった」ことについて 重大な過失(=何の対策もと
らなかった) があればこれまたクロとみなされてしまうという非常に厳しい規制で、(前
職)企業側の知的財産が強力に保護されています。 では、会社側はどう対処すべき
か?

まず中途採用する従業員の入社の際に、上のような秘密保持義務を負っているかどう
かの確認を行うことです。ただ、この確認行為自体が前職での営業秘密を開示させて
しまうおそれもあり慎重な対応が要求されます。 つまり、前職の営業秘密開示の規
制に抵触しない、過って開示させないような方法で確認作業を確実に行うことです。 こ
の確認行為が訴訟などの紛争に発展した場合の「重大な過失がない」ことの立証にな
り、会社側の責任回避(軽減)のためのプロセスとして考慮される要素となります。

  ホントそこまでやらないといけないの?

という声が聞こえてきそうですが、IT化、就業形態の多様化、雇用の流動化等社会経
済情勢もあいまって企業が負うべきリスクとなっていることは確かです。

ちなみに不正競争防止法違反の罰則は

  5年以下の懲役または500万円以下の罰金 (またはこれらの併科)

しかもこの罰則も(10年以下の懲役)強化の方向で、こうした重い刑事的処分 (+損害
賠償請求等民事訴訟)がリスクマネジメントの必要性・重要性をさらに物語るものと言え
ます。

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