今回は
(2) 自社の営業秘密を持出されてしまうリスク (退職時)
に対するマネジメントについて・・・
前回コラムでは、他社の営業秘密を(故意・重大な過失で)従業員を介して自社に持ち
こみ利用してしまう不正な競争に対して、不正競争防止法 という強力な刑罰法規が立
ちはだかるという脅威とその対策についてお話しました。
Home > コラム > リスクマネジメント > '' 持ち出させない '' 自社の営業秘密 (2007. 7. 18)

今回は
(2) 自社の営業秘密を持出されてしまうリスク (退職時)
に対するマネジメントについて・・・
前回コラムでは、他社の営業秘密を(故意・重大な過失で)従業員を介して自社に持ち
こみ利用してしまう不正な競争に対して、不正競争防止法 という強力な刑罰法規が立
ちはだかるという脅威とその対策についてお話しました。
今回(2)のケースでは立ち位置が変わるわけですから、今度はこの「両刀の剣」ともいえ
る強力な規制を反対に 味方につければいい わけです。 しかしこの法律はただ何もせず
に会社の営業秘密を当然に守ってくれるものではなく、その射程はほんとうに大切な守る
べき営業秘密に限定されており、会社としてそれなりの対策が必要です。
重要な営業秘密として保護を受けるためにはまず下の3つの要件(営業秘密該当性)の充
足が必要です。
[1] 営業秘密に会社の 「利益」 が存在する
[2] 「公」 に知られていない (技術やノウハウなど)
[3] 重要な 「秘密」 として社内で きっちり管理 されている
[1][2]についての判断はさほど難しくないと思いますが、ここで一番重視されるのはやはり
[3]の社内での 秘密管理性 でしょう。 仮に[1][2]ともクリアしていたとしても[3]について
ずさんな管理しかされていないような場合はこの法律の保護が及びにくくなります。
例えば、守りたい営業秘密に接することのできる社員を限定し、権限のない社員のアプロ
ーチを規制するようなセキュリティー対策を講じるなど、そして何より普段から社員に対しそ
の営業秘密が会社にとって重要なものであることを就業規則等の規則できっちり認識させ、
慎重な取扱いを要求する運用・管理が必要です。
最終的に訴訟で争った場合、相手方(元従業員や他社)の行為が不正競争防止法違反と
なる、つまり営業秘密を守ってもらえるかどうかはこれら3つの要件だけではなく、個別案件
ごと相手方の不正競争の態様(不正競争性)なども含め諸事情を総合的に考慮したうえ判
断されることになります。
知的財産としての営業秘密を守りたい会社にとって、特に[3]の措置をしっかりとっておくこ
とが対策の中心部分と言えるでしょう。
あと、こうした刑罰法規を活用する以外にも、社員の退職時に秘密保持義務を負わせる特
約の締結により、さらに営業秘密漏洩に対する一定のけん制効果が期待できます。 また、
併せて競業避止義務を負わせる場合は、退職者の職業選択の自由に配慮した上、ほんと
うに守るべき営業秘密にフォーカスをあてたあくまでも限定的な内容にしなければ、裁判所
より公序違反で無効とされてしまうリスクがあるため、特約に盛込む規制の内容・範囲には
充分な注意が必要です。
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