前回コラムでは、会社の経営権の安定化のために株式に譲渡制限をかけることについて、
法的な視点からその趣旨と効果を検証したところです。
このように株式を譲渡制限株式とすることで望ましくない株主の出現を阻むことができ、多
くの中小企業がこの手法を用いて企業防衛や経営の安定化を図っていますが、実はこの
譲渡制限株式も万能ではありません。
(1) 相続 (2) 合併
などにより株式が移転した場合にはその効果が発揮されないという限界を持っています。
Home > コラム > 会社法務 > 譲渡制限株式の弱点とその対策 (2007. 8. 28)

前回コラムでは、会社の経営権の安定化のために株式に譲渡制限をかけることについて、
法的な視点からその趣旨と効果を検証したところです。
このように株式を譲渡制限株式とすることで望ましくない株主の出現を阻むことができ、多
くの中小企業がこの手法を用いて企業防衛や経営の安定化を図っていますが、実はこの
譲渡制限株式も万能ではありません。
(1) 相続 (2) 合併
などにより株式が移転した場合にはその効果が発揮されないという限界を持っています。
例えばある株主が死亡した場合、譲渡制限の効果は発揮されず、会社の承認とは関係な
くその株式は相続人に引き継がれてしまうことになり、場合によっては会社にとって好まし
くない株主が経営に入ってくるおそれが出てきます。
では会社はこれをどう阻止するか…?
会社法は中小企業に「譲渡制限」というファイヤーウォール以外にもう一段の防御策を提供
しています。 それが株式の
売渡請求権
というオプションです。 この権利行使について「定款」に定めておけば、会社側のイニシア
ティブによりその株式を強制的に買取ることができ、上の(1)(2)のようなシーンでの譲渡
制限の弱点を克服することができます。 しかしこの権利行使も
相続などがあったことを知った日から1年
と時効付きである点注意が必要です。
そこで、譲渡制限株式にこの売渡請求権がついていない場合、以下のように定款に規定
を設け、譲渡制限株式の機能を万全なものにしておくことが必要です。
(定款規定例)
【相続等に対する売渡請求】
第××条
「当会社は、相続その他一般承継により当会社の株式を取得した者に対し、当株式を当会
社に売渡すことを請求することができる。」
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