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社会保険労務士「後藤義弘」のビジネスコラム

会社は従業員のミスに対して損害賠償を請求できる? (2007. 6. 20)

昨今従業員の過失により発生した会社の損失を、会社が従業員に対し求償する損害
賠償請求の訴訟が増えています。

民法の世界では、事前に損害賠償契約を結ぶなど契約上の損害リスクの負担に関して
は当事者自治に委ねるのが原則です。 つまり、契約当事者間で(公序良俗に反しない
範囲で)自由にリスク負担の分担方法を決めておくことができます。 

ではこの市民法理のロジックをそのまま会社と従業員との間の労働契約の世界にあて
はめることはできるのでしょうか?

従業員が提供する「労働」は、機械やコンピューターが処理する作業とは違い、労働義
務を遂行していくプロセスにおいて「ミス」はつきもの、会社業務つまり 雇用契約上織り
込み済み という考え方をとります。 したがって、従業員の故意によらないミス(軽い過
失)により発生した損害を従業員に求償することはできず、懲戒処分、または人事査定
でのペナルティー賦課により再発防止を図ることで将来的にその損失を吸収していくこと
になります。

従業員側の明らかな故意の行為は別として、仮に過失が相当重大なもの(重過失)であ
ったとしても、そこから発生した損害について労使による

  損害の公平分担

という観点から相互に責任を負担しあう、従業員に100%の責任を求めることはできない
ことに留意した雇用管理とリスクマネジメントが必要です。

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