上図の左部分つまり 「公」法 の領域のテーマは文字通り 適法性 いわゆるコンプライアンスの根底部分です。
この領域の問題については、労働基準法・通達などの行政解釈・あるいは労働基準監督署や労働局などに直接アプローチする、またはこの領域の専門家である私たち社会保険労務士が対応することでほとんどが解決可能です。
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上図の左部分つまり 「公」法 の領域のテーマは文字通り 適法性 いわゆるコンプライアンスの根底部分です。
この領域の問題については、労働基準法・通達などの行政解釈・あるいは労働基準監督署や労働局などに直接アプローチする、またはこの領域の専門家である私たち社会保険労務士が対応することでほとんどが解決可能です。
一方右部分 「私」法 ゾーンのうち民事ルールについては、近々立法化される 労働契約法制 がその役割を果たすことが予定されています。
そして問題はこの枠からはみ出る グレーゾーン であり、ここは判例などの裁判規範を駆使し「解釈」で処理しなければならない特殊・複雑そして高度な専門的領域なのです。
この領域は労働基準監督署や労働局に相談してもおそらく明確な解決方法は見出せないでしょう。
なぜなら、行政機関はあくまで取締りのための「公法」(労働基準法や男女雇用機会均等法など)を扱うにとどまり、「私法」(民事)上の問題は専門外だからです。
そして実はこの部分が紛争に発展しやすく、問題となりやすい、そして会社にとって損害も大きくなりやすい危険な領域なのです。
「切迫流産と診断された女性従業員の就労拒否と安全配慮義務・賃金請求権」
改正均等法で新たに規定された 間接差別 を例にとりましょう。
今回法律に盛込まれた間接差別事由は(ひとまず)3項目のみです。 現時点、均等法上はこの3つをケアしておけば 「適法」 となり公法上は問題なしということになります。
一方、列挙された3項目以外の厚生労働省令でグレーゾーンとされた項目、例えば 家族手当 の支給要件などはどうでしょう。
現状公法上は違法ではなく取締りを受けることはありませんが、今後、性差別禁止法的性格が強まってくる社会情勢を考えると、この問題が外部に出た場合、私法上は「違法」 な間接差別と認定され、従来家族手当の支給要件から外されていた女性従業員の過去2年分の家族手当の請求が認められるシーンが出てくる可能性も考えられます。
また従業員数が10人に満たない会社に労働基準法は 就業規則 の作成を義務付けていません。
つまり作らなくて公法(労働基準法)上は 「適法」 問題なしということになります。
しかし、「私法上はどうか?」です。 例えば従業員の不正を理由に懲戒解雇をし、これに対し従業員が解雇無効を主張し争った場合、事情によっては就業規則がないことを理由に解雇が無効となるリスクが残ります。
労働基準法などの 法律を守る ことと 損害賠償などの 民事上のリスクを回避 することは別の問題と位置付ける必要があるのです。
そしてこの法の隙間 グレーゾーン に介在するリスクを事前かつ主体的に把握し、積極的にマネジメントを働かせていくことはもはや雇用管理領域を超えた企業経営上の重要なテーマとなっています。